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コンセプト

コンセプト

設計者/建築家:隈 研吾

市の中心部からほど近い旧国鉄の操車場跡地に、地元のあたたかい自然材料を使って、市民の集いと交流の場となる、公園と一体となった、開かれたアリーナをデザインしました。

中心にある『ヨリ・ドマ』と名付けた屋根付き広場には、市民のヨリドコロとなる温もりの土間、との意味が込められています。最新の風制御設計技術を用いた雪囲い『かっちょ』により、冬でも穏やかな環境に整えられる『ヨリ・ドマ』は、一年を通じて屋外的な活動を受け入れることができます。『ヨリ・ドマ』に面した各機能は大開口で接続され、敷地全体で一体感のあるイベントが可能です。青森の気候風土、そこに暮らす市民と自然との付き合い方、先人の叡智が生み出した、柔軟に使える広がりを持った、新しい公共空間です。

建物の外装は陸奥湾のホタテの貝殻を原料にした外装材で、柔らかく温もりのある質感で仕上げました。ヨリドマにつながる園路には、青森県産の木材を用いてリンゴのカゴ模様に編み込み、冬の風からやさしく包む『コミセ』をつくりました。

子どもから高齢者まで、多様な市民の活動の舞台となる、伸びやかな風景をつくることができました。

市民の3つの『ヨリドコロ』
“ヨリドマ”

メインアリーナとサブアリーナに屋根を架け、建屋で雨(雪)を遮る半屋外の広場。
かつての民家の土間のように人々を温かく迎え入れる空間。

地域特性を考えた”かっちょ”

2階デッキスペースを囲う“かっちょ”。
雪国ならではの防雪柵。壁を開けると風が通り抜ける空間となり、四季を問わず“ヨリドマ”の快適なにぎわい空間を創出。

ヨリドマにアプローチする“コミセ”

ヨリドマへのアプローチには、青森の伝統的な雁木“コミセ”を設け、天井裏の木格子には地元産材を使用。